着物に合う男性、女性用のコート選びのポイント!おしゃれな着物コートをご紹介!

着物_コート

着物に合うコートはどんなものがあるかご存知ですか?
寒い時期はもちろん洋服と同じ様に着物にもアウターがあります。
しかし着物にはその時季や用途によって、使うコートが異なります。
今回は、そんな着物に合うコートについて、種類別に詳しくご紹介します。
女性用だけでなく、男性用も紹介していますので男女ともに必見の内容ですよ!

目次

着物のコートとは

着物_コート_とは

着物のコートと言っても、1つではなく様々な種類があります。
まずは着物のコートについてその歴史的な背景から説明します。

コートを着用する意味

古くから着物を着用している人にとっては「帯付きは、はしたない」という言葉があります。
これは帯付き姿のままで外出することを避けるために作られた言葉だと言われています。諸説ありますが、

  • 帯付きの姿を見られるのが気恥ずかしい
  • そのまま外に出ると、帯や着物そのものを汚してしまう

といった意味合いがあるようです。
現代ではその言葉自体薄まってきているため、あまり気にする必要はないかもしれません。しかし中には「上着を羽織らないことを良く思わない人」も稀にいることを覚えておくと良いでしょう。

コートを着る季節はいつ?

一般的には「紅葉が色づく頃から、桜散るまで」の間が着物のコートを着る期間とされています。
ただし、季節を問わずフォーマルな場で着物を着用するのであれば、コートを持っていく方が無難です。

昔は着物のコートは夏にも着られていた

「コート=防寒用」というイメージが強いですが、着物の場合は違います。
もちろん寒い季節は必要ですが、一昔前までは真夏の暑い季節でもコートを着用していました。
ただし、厚手のものではなく薄手のレース素材のものや、見た目にも涼し気なものが重宝されていたようです。現代でも1つあれば室内において冷房が効きすぎている場合に役に立ちます。特に移動する際は必須アイテムですので、夏だからといって上着は関係ないとは言えないようです。

コートの「格」は色・柄・素材・衿の形で決まる

着物_コート_格

コートの「格」についてご説明します。
コートにも着物同様にランクが分けられており、TPOによって使い分けることが必要です。

コートの色

着物と同じで、コートでも「黒色」が最も格式高いものに分類されます。特に喪に服すときは黒一択です。
その他にも、春先から冬場にかけて黒のコートは1年を通して着られる万能カラーです。着物が華やかなため上着は少し地味な色、濃いめの色が相性が良いので、そういう意味からも黒のコートはおすすめです。

コートの柄

柄に関しては、無地もしくは「絵羽模様」と呼ばれる柄が1枚の絵のように繋がって見えるものが格式が高いです。
これらの柄はフォーマルな場にはぴったりです。一方で、縞模様や見た目からカジュアルな模様のものは、それ相応の用途になります。

コートの素材

素材についても様々な種類があります。
やはり絹で作られた「ちりめん」は最上級ランクです。
「紬」や「木綿」のものは普段使いができ、「ビロード」はカジュアルからフォーマルまで幅広い用途があります。

衿の形で変わるコートの格

袴_形_コート_格

色や素材のほかに、コートの格を決定づけるのは「衿」です。
つまり仕立ての仕方によってその格が変化するというわけです。

「道行衿」

数ある衿の種類の中でも、最も標準的な衿が「道行衿」です。
衿の形が額縁のように四角いものを道行衿といい、別名「角衿」と言われています。
この衿をしているコートは一般的にはフォーマルな場面で使用します。
しかし、紬のような素材で作らているものはカジュアル使用になります。
道行衿のコートを1つ持っておけば色んなシーンで使えて便利です。

「都衿」

道行衿の角を少し丸くしたものを「都衿」と言います。
見た感じも道行衿との差は大きいものではありませんが、カーブが施されているので優しく柔らかい印象を与えます。
都衿の上着はフォーマルからカジュアルまで幅広く対応しています。

「千代田衿」

洋服のコートを元に、着物に合うように改良されて作られたのが「千代田衿」です。
胸元に向かって斜めにラインが入っており、すっきりとした印象を与えます。
道行衿と比較すると、カジュアルな分類になります。

「へちま衿」

その名の通りへちまのような形をしていることから「へちま衿」と呼ばれるものです。
千代田衿と同様に洋服からインスピレーションを受けて生まれたと言われています。
厚手の生地の着物にも違和感なく着ることができるので、冬場の寒い時期に特におすすめです。

「被布衿」

七五三の3歳児が着用することで有名なのが「被布衿」。
飾り紐が付いているのが特徴的な衿です。
衿自体の大きさや飾りの種類を変えることにより、大人用の上着として使えす。
江戸時代には男女問わず使われていた歴史があります。

「着物衿」

最もカジュアルなのが「着物衿」です。
丈も短めで、結んだ紐も見えているため普段使い用に人気があります。
最近では古い着物をリメイクして、着物衿のコートを作られる方もいます。
使い勝手を調節できるのが嬉しいですね。

着物のコートの種類

着物_コート_種類

続いて、実際にコートの種類を1つずつ詳しく紹介していきます。

羽織

数ある上着の中でも最もスタンダードなものを「羽織」と言います。
もともと男性が着用するものでしたが、江戸時代の芸者たちが羽織を着用し始めて女性の間にも一気に広まったとされています。

時代の移り変わりとともに、羽織の長さも変化しており、現在は長めのものが主流です。
洋服で言うならカーディガンに位置づけられるため、室内で着ていても問題ありません。
「羽織紐」と呼ばれる、全面で羽織を留める紐を付けます。
また裏地の「羽裏」の部分で、様々な模様をあしらいオシャレを楽しむことができます。
江戸時代にあまり表立って贅沢ができなかった庶民が、羽裏で個性を出していた背景があります。

ショール

ショールはカジュアルなシーンでは着用可能です。
マフラー感覚で肩周りにさっとかけて使うのがこなれ感が出る使い方ですね。
素材に関しても特にこだわらずに、お持ちの着物に合っていれば洋服用のショールで問題ありません。

ケープ・ポンチョ

着物は和服のためどうしても落ち着きのある渋い印象が否めませんよね。
そんな時にすこしでもキュートな印象を作れるのが、「ケープもしくはポンチョ」です。
袖がないため、着物でも簡単に使用することができます。
カジュアルシーンでしか着られないので、着物専用でなくとも普段使いのもので大丈夫です。

和装コート

着物専用に、袖と衿まわりが幅広めにつくられたコートを「和装コート」と言います。
帯を考慮し、背中まわりもゆったりとした作りになっており、まさに着物のコートですね!
素材は洋服のときと同じ、羊毛や綿など色々あります。
通常のコート同様に室内では脱ぐようにしましょう。

道中着

基本的には衿が裾の長さまであるものを「道中着」と呼びます。
脱いだり着たりがとても楽なため、近年急激に人気を集めています。
場合によってはフォーマルシーンでも着られますが、基本的にはカジュアル向けと考えていいでしょう。

道行

上でご紹介した道行衿のコートを「道行」と言います。
衿が四角いためスタイリッシュに見えますね。
フォーマルなシーンから旅行など幅広く使えます。

雨コート

裾まで長く、着物全体を覆うことのできるものが「雨コート」です。
絹でできた高級品から、化学繊維製の扱いがしやすいものまで多くの種類があります。
中には、上下それぞれが独立しているタイプの雨コートもあり、持ち運びも簡単になっています。

ベルベットコート

着物には「ベルベットコート」も似合います。
ベルベットとは肌触りがよく光沢のある織物のことで、「べっちん」や「ビロード」とも呼ばれます。
高級感があり、防寒性も抜群で着物との相性がいいのでおすすめです。

男性の着物コートと選び方

男性_着物_コート_選び方

着物というとどうしても女性のイメージですが、男性にも着物用コートがあります。

トンビコート

「トンビコート」は丈が長く、ケープのようなデザインをしているコートです。
もともとは着物用というわけではなく、スコットランド発祥の洋物です。
しかし実用性の高さとオシャレなことから人気があり、男性にはトンビコートが間違い無しのアイテムです。

角袖コート

男性用の最もポピュラーな上着が「角袖コート」です。
袖が大きく、着物の袖をそのまま入れることが可能です。
また衿は主にいわゆるステンカラーで、現代でもふるさを感じません。
気軽な街歩きから、フォーマルなシーンまで対応できる万能コートと言えますね。

コートのベストな丈や寸法は?

着物_コート_ベスト_丈や寸法

コートのサイズは種類にもよりますが、例えば羽織の場合、自分の身長の2分の1サイズが基準となります。
余裕を持って身長の半分プラス1~3cm程の丈のものを選べば間違いないでしょう。

コートや羽織のたたみ方

コート_羽織のたたみ方

コートや羽織の畳み方も知っておきたい!という方のために正しいコートと羽織の畳み方についてもご紹介します。
正しい畳み方ができると羽織やコートを綺麗な状態に保つことができます。

羽織のたたみ方

衿が左に裾が右になるように床に置きます。
まずは、まち部分で半分に折ります。
左右の衿を重ね、袖を中心に向かって折り返します。
最後に右袖を身頃の下にいれて完成です。

和装コートのたたみ方

ボタンやスナップは全部外した状態で、衿が左で裾が右になるように置きます。
左右の脇縫い線でしっかりと折り、下前・上前の順番で畳みます。
続いて左右の脇縫い目が身頃の中心で重なるように折ります。
袖と裾を「たとう紙」の幅に合うように調整して完成です。

まとめ

着物_コート_まとめ

着物のコートについては様々な種類があることがお分かりいただけたでしょうか?
衿や素材、色によって格が変わり、フォーマルからカジュアルまで対応しています。
とりあえず1着という場合、女性なら道行衿、男性なら角袖コートがおすすめですよ。
TPOに合わせ、ご自身の用途にぴったりのコートを見つけてくださいね。

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