着物にブランドってあるの?人気ブランドと見分け方をまとめて紹介

ブランド着物と言われるものがありますが、着物にブランドはあるのでしょうか?
一般的にブランド着物と言われるものの5つの分類と、その人気ブランドをご紹介します。

目次

着物のブランドとは

洋服にはエルメスやグッチといったブランドがありますが、着物にもそのようなブランドがあるのでしょうか?

実は着物には厳密にはブランドというものはありません。
ですが、「着物の査定を受ける際に、ブランド着物であれば高くつく」などと聞いたことありませんか。

そのように、一般的にブランド着物と言われるものは存在し、次の5つに分類することができます。

有名作家物の着物

着物女性の後姿・帯

有名作家物の着物とは、重要無形文化財保持者いわゆる「人間国宝」といわれる作家や伝統工芸士・人気のある作家の手がけた着物です。

洋服でいえば有名デザイナーの洋服にあたり、着物の場合「染織作家」と呼ばれます。

また、作家物と言われる着物は大きく分けて3つのタイプに分かれます。

  • 染物作家・・・友禅染や紅型(びんがた)・江戸小紋など
  • 織物作家・・・紬や芭蕉布・羅(ら)など
  • 刺繍作家・・・刺繍

有名作家物の着物の見分け方

着物の落款

着物には洋服と異なりタグが付いていません。
代わりに、作家物かどうかは「落款」で判断します。また、作家によっては名前が入っていることもあります。

作家の落款や名前は反物に染めてあり、仕立てる際には右前身頃の衽(おくみ)の位置か右前の衿の下の方に落款や名前がくるようになっているので、探してみてください。

また、帯の場合は、図柄の目立たないところや、反物の端に染めてあります。

伝統的工芸品の着物

着物の生地

日本には、漆器や焼物・竹細工など、伝統工芸品といわれるものがたくさんあり、着物もその一つです。

さらに、伝統工芸品のなかには、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で定められた「伝統的工芸品」というものがあります。

つまり、伝統的工芸品の着物とは、織りの技術や染色技術が認定されている染物や織物で作られた着物のことを指します。

伝統的工芸品の着物の見分け方

伝統的工芸品は「伝統証紙」によって決まります。

伝統証紙とは、伝統的工芸品の表示のために、伝産協会が発行する伝統マークを使用した証紙のことです。
生産地の組合が、基準に合格しているかどうかを厳重に検査し、検査に通ったもののみに付けられています。

有名なものは、辻が花や大島紬、牛首紬です。

また、作家物の伝統的工芸品の場合、染め着物は作家の落款や名前、織着物はタグが縫い付けてあります。

老舗ブランドの着物

着物の生地

着物の古い老舗は、日本の伝統でもある着物を長年扱っているという部分で、一目置かれます。

例えば、友禅染で有名な京都の「千總(ちそう)」は室町時代からの着物の老舗です。

もともとは、京都で法衣を取扱う店として創業し、明治維新後、京都の寺院からの仕事が減ったので、事業の中心を友禅染に変え、多くの技術改善の先頭になりました。

このことから、友禅染といえば千總と言われるようになったのです。

東で有名なブランド老舗なら、1842年創業の江戸染浴衣の老舗「竺仙(ちくせん)」です。
浴衣や江戸小紋の染色も行ない、今でも、「竺仙の浴衣」はあこがれの一品です。
竺仙染めともいわれる竺仙の反物は江戸時代から伝わる技術や色を継承しています。

また、「三勝(さんかつ)」も1894年(明治27年)創業の浴衣・木綿の染物の老舗です。
明治時代から受け継がれる型紙と図案をもとに、伝承する染色技術によって染め上げられる生地は、今も人気が高いです。

他にも以下のような老舗ブランドがあります。

  • 川島織物
  • 龍村美術織物
  • 大羊居
  • ゑり善
  • 銀座志ま亀

老舗ブランドの着物の見分け方

老舗ブランドの着物かどうかは、作家物と同じように落款によって判断します。反物の端に「千總謹製」などと織り込んであるので、端切れがあればより明確になります。

帯の場合は、帯の端の刺繍を確認します。

デザイナー・芸能人の着物

着物

洋服デザイナーや芸能人には、着物のデザインをしている人もいます。
有名デザイナーさんは以下の通りです。

  • ツモリチサト
  • モリハナエ
  • ヒロミチナカノ
  • 山本寛斎
  • コシノジュンコ
  • 桂由美

ただし、デザイナーや芸能人は、自分で染めたり織ったりする技術を持っているわけではないので、「プロデュースしている着物」ということになります。

また、デザイナーの着物は、洋服デザイナーのものだけではなく、着物の世界にも、着物デザイナーといわれる人がいます。

作家物いわれる着物の作家も着物デザイナーといえますが、着物デザイナーと呼ばれる人の着物は、着物と洋服または現代デザインを融合させた着物で、斬新なデザインのものが多いのが特徴です。

日常着がコンセプトの豆千代やiroca(いろか)が有名です。また、新進気鋭の着物デザイナーの斉藤上太郎のデニム着物は海外でも人気です。

デザイナー・芸能人の着物の見分け方

デザイナーや芸能人の着物の見分け方も、作家物の着物と同じで落款があるかどうかで判断します。

ただし、芸能人の場合は、落款ではなくタグが付いている場合もあるので注意してください。

和装専門メーカーと
国内・海外メーカーブランドの着物

着物

国内・海外を問わず、洋服のメーカーはたくさんありますよね。

着物にも和装専門のメーカーがあり、洋服メーカーや和装専門メーカーの作る、メーカーブランドの着物があります。

和装専門メーカーの着物

和装専門メーカーで有名なところは、撫松庵や紫織庵・三松などがあります。

着物だけではなく、帯や和装小物なども作っており、そのメーカーでトータルコーディネートできるようになっています。
値段も、比較的低価格で、気軽に楽しむことができます。

国内・海外メーカーブランドの着物

国内・海外メーカーブランドとは、洋服のメーカーが作る振袖や浴衣のことです。

国内のメーカーブランドだと、セシルマクビーやリズリサ、海外メーカーブランドだとRATTIやアンテプリマなどがそれにあたります。

若い世代にも認知度の高いブランドであり、そのブランドの洋服が好きで着物を選ぶ人もいるかと思われます。

和装専門メーカーと国内・海外メーカーブランドの着物の見分け方

和装専門メーカーや国内・海外メーカーブランドの着物にも、落款やタグが付いています。

ただし、メーカーブランドの着物の場合、タグが縫い付けていないこともあるので、購入した際に切り離してしまっている場合は、後々ブランドがわかるように大切に取っておきましょう。

いかがでしたでしょうか?
着物には明確なブランドはありませんが、一部は今回ご紹介した5つに分類することができます。
着物選びの参考にしてみてくださいね。

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