正絹ってどんな着物?他の着物との違いや特徴を徹底解説!

正絹_着物

「正絹ってどんな素材なの?特徴を知りたい」
「他の素材との違いも知りたいな」
このような疑問を抱えていませんか?

そこで今回は正絹の着物に関する情報を徹底網羅して紹介します。
正絹の着物がどんなものなのか知りたい方の参考になれば幸いです。

正絹とは絹100パーセントの着物

正絹_着物_絹100パーセント

正絹とは、まじりもののない絹100パーセントで作られた生地のことを指します。
高級な着物には正絹が生地に使われており、絹特有の上品な光沢や、きめ細かで極上の肌触りと着心地といった上質な仕上がりと高級感も相まって、着物への関心が高まるほどその虜になるでしょう。
着物が好きな方であれば、一度は着てみたい憧れの着物であり、着物といえば正絹と言っても過言ではありません。
また、正絹は本絹(ほんけん)と言われることもあります。

正絹に使われている絹糸とは、蚕が作り出す繭からできる糸のこと。つまり正絹の製造は養蚕からの工程によって作られています。
正絹が作られる製造工程は以下の通りです。

  1. 蚕を育てる
  2. 蚕が作り出した繭を収穫する
  3. 繭の中のさなぎを殺すため、繭を乾燥させる
  4. 繭を解きほぐしやすくするため、繭を煮る
  5. 繭から糸を撚りあわせる(繰糸)
  6. 撚りあわせた糸を乾燥させる
  7. 乾燥状態にある絹糸を元に戻す揚げ返し(製品まで仕上げる)

蚕を育てる工程から始まることを考えても、大変な手間がかかる生地だということがわかりますね。
着物1着分の生地を作る場合は、50kg分の繭が必要のようです。繭1つあたり1g程度ですので、繭5000個分に相当します。

正絹に対するイメージ

着物好きの方からすると、
「正絹=高級感のあるもの」といイメージがあるようですね。
日常生活で使われているポリエステルよりも、着物は正絹と考える方が多いです。

値段も安いものではないですし、生地には絹独特の光沢感がでます。

「高級感のあるもの」というイメージはあながち間違いではありません。

とはいえ「ポリエステルと何が違うの?」と疑問に感じる方は多いと思います。
次項では、ポリエステル素材との違いについて触れていきます。

正絹はシルクやポリエステルの着物と何が違うの?

正絹_シルク_ポリエステル_違い

正絹は他の素材とどう違うのでしょうか?
シルク、ポリエステルとの違いをご紹介します。

シルクとは何が違うの?

シルクとは「絹」のことを指します。正絹は絹100パーセントで作られた生地ですから、正絹自体はシルクとも言えるのです。つまりシルク100パーセントで作られている着物も正絹と言います。

ポリエステルとの違い

ポリエステルとは、衣類品によく使われる耐久性に優れた素材のことです。
普段から着る洋服や布製品には、ポリエステルが使われていることが多く誰にとっても馴染みやすい素材だといえます。

正絹との大きな違いは以下の通りです。

『ポリエステル』

  • 耐久性に優れている
  • 乾きやすく速乾性が高い
  • 安価なポリエステルではゴワゴワした着心地
  • 自宅で洗える
  • 安価で手に入る

『正絹』

  • 日光に弱いなど耐久性は劣る
  • 通気性・保湿性に優れている
  • なめらかで上質な肌触り
  • 肌に優しい着心地
  • 絹独特の光沢感がある
  • 手洗いができない
  • 値段が高い

ポリエステル素材は主に普段着や外出着で着られる着物に使われています。

  • 小紋
  • 浴衣
  • 色無地

礼装向けの着物にはポリエステル素材はあまり使われません。

正絹は肌に優しいの?

正絹_肌_優しい

前項で正絹は「肌に優しい」と説明しました。
なぜ肌に優しいのかというと、絹繊維は人間の肌を形成しているタンパク質と近い成分でできているからです。地肌との親和性が高く、成分上ヒトの肌と拒絶反応を起こしにくい最高の素材だと言えます。肌に優しい着心地を感じるのはこのためです。

化学繊維が肌に合わず、かゆみやかぶれを起こす方も決して少なくありません。化学繊維を使った素材よりも、肌と同じ成分でできた絹の方が肌に優しい素材であることは想像できるかと思われます。
だからこそ、正絹は肌に優しいという特質があるのです。

また、他の素材と比べて絹は、保湿性・通気性に優れています。
夏は涼しく、冬は暖かい。そんな絹の機能性や長所などについて、次項で見ていきましょう。

正絹の長所と短所

正絹_長所_短所

正絹は高級感がある上質なものといった特徴をこれまで紹介してきましたが、そんな正絹にも短所はあります。

長所と短所を理解したうえで使いたいかどうか判断してみましょう。

正絹の長所

正絹の長所は以下の5つがあります。

1.上述した肌への優しさ
肌と同じタンパク質で形成された絹素材は、化学繊維よりも肌に優しい着心地をしています。

2.静電気が起こりにくい
絹は静電気を持ちにくいです。これは、絹の繊維一本いっぽんの水分率が高いからです。正絹は100パーセント絹でできているため、ほとんど静電気が起こらないのです。肌が静電気によるダメージを受ける心配はポリエステルと比べてとても低いとも言えます。

3.高級感があり自信が持てる
「高級感がある」というイメージはその通りで、ポリエステルや木綿を使った着物よりも明らかに高級感を感じます。
「何を着るかによって、人格は変わる」と言われるように、高級な着物を着ることで自然と自信がみなぎるでしょう。

4.夏は涼しく冬は温かい
夏の暑い時期には風を通しやすく、冬の寒い時期には暖かく着られる万能な生地です。
絹は綿に比べて、約1.5倍の吸水性と、約1.3倍の発散性があります。また、ポリエステル自体には吸水性はほとんどありません。これにより、素早く汗を吸水し、すぐに乾くため、通気性がよく、夏でも涼しく快適に過ごすことができるのです。

また、絹の繊維は、微細な穴を多く持った造りになっているため、繊維の間に空気をたくさん含むことができます。温められた空気の層を保つことができるため、冬は暖かく過ごすことができるのです。
正絹は、オールシーズン通して重宝する生地だといえますね。

5.光沢があり異なった風合いを楽しめる
絹素材には独特な光沢感が出るのが特徴の1つです。
正絹を使った着物には、繊細で美しい光沢が輝きその風合いを楽しめます。

正絹の短所

1.値段が高い
一般的に絹を使った布製品は高級品とされています。そうすると、絹のみで作られた正絹は値段が高くて当然とも言えますね。

昔は金と同等以上の価値があったようです。

2.洗濯が困難
自宅で洗濯できるポリエステルに対し、絹は自宅での洗濯が困難です。その理由は自分で洗濯すると縮むということにあります。
せっかくの高級品を縮ませてしまうのはもったいないので、洗濯はクリーニングに出すのが良いでしょう。

3.雨に弱い
正絹はデリケートな素材であるため雨に濡れるとシミになってしまう可能性があります。
雨の日に着る場合は万全な雨対策をしてから着るようにしましょう。

4.保管に気を使わないとすぐに変色する
常に直射日光の場所で保管するなど、保管方法を誤ってしまうとすぐに変色してしまいます。
保管方法が特に気を使わなければいけません。

正絹の取り扱いのポイント

正絹_取り扱い_ポイント

正絹はデリケートな素材ですから、取扱いには十分に注意しましょう。
ここでは取り扱いのポイントを紹介します。

風通しを良くする

絹は湿度に弱い素材です。着物着用後は思っている以上に湿度が残っています。そのため、着物を脱いだらすぐにハンガーにかけて風通しをよくしましょう。
その際、直射日光に当たらない場所で保管することが最重要です。
直射日光に当たり続けると、変色する恐れがあります。

年に数回虫干しをする

虫干しとは、着物にこもった湿気を取り除くため、新鮮な空気に触れさせることです。
虫干しを年に数回行うことによって、こもった湿気によるカビや変色を防ぎます。
やり方は、ハンガーにかけて湿度の少ない室内で干します。
時期としては梅雨明けの7〜8月、9〜10月、湿気の少ない1〜2月に行うのが良いとされています。

汚れた時はすぐに処置する

ついた汚れをそのままにしておくと、シミの原因になったり変色する恐れがあるので、すぐに処置するように心がけましょう。
着物ブラシや清潔なタオルを使って汚れを落とします。強く擦ったりすると、傷がつくので頑固な汚れは無理せず、クリーニングにだしましょう。

畳んで保管しよう

保管の際には、丁寧にたたんでからたとう紙に包み、桐たんすで保管するようにしましょう。
たとう紙は湿気を寄せつけない効果があり、桐たんすは虫を寄せつけず、湿気を逃す効果もあります。

まとめ

正絹_着物_まとめ

いかがでしたか。本記事では正絹の特徴や長所、短所、取り扱いポイントを紹介しました。
正絹は絹100%で作られており、高級感の漂う上質な生地です。

肌触りは優しく、保湿性・通気性も優れているので、他素材と比べても高品質な素材といえますね。
ただしその反面、値段の高さであったり、お手入れの大変さもあります。
正絹の着物を着たいと考える際には、短所も含めて検討区してみてください。

とはいえ高級感のある生地ですので、大事な日のために1着持っておいても損はありません。
今回紹介した特徴を踏まえて、着物選びの参考にしてみてくださいね。

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