お出かけ用のおしゃれ着や、普段着代わりの着物として活躍することが多い半幅帯と小紋の着合わせは、着物の中でも気軽に着ることができます。そんな半幅帯と小紋の着物を初めて着るときに他の帯や着物との違いやTPOが分からないと袖を通すのがおっくうになってしまいますよね。
今回は、半幅帯と小紋の着合わせに初めてチャレンジする方のために、半幅帯や小紋の基礎知識にくわえ、おすすめのコーディネートや帯結びを紹介します。
目次
半幅帯と小紋について知ろう
着物の種類の中でも訪問着や色留袖などは定番ですが、半幅帯や小紋という言葉を初めて耳にする方もいるかと思います。まずは半幅帯と小紋の特徴や、格について知りましょう!
▼半幅帯とは
半幅帯は、幅が17㎝程度(四寸幅)で長さが3.6mから4m程度あり、カジュアルな装いとして選ぶのに適しています。半幅帯は小紋以外では、浴衣に合わせるのもおすすめです。
・半幅帯の種類は?
半幅帯は小袋帯と単衣帯の2種類があり、それぞれ作りが異なります。
小袋帯は2枚の生地を縫い合わせて作っており、リバーシブルになっているのが特徴です。着物の色に合わせて帯の表面を変えて使うことができて、季節を問わず使うことができます。
一方、一枚の布で仕立てた単衣帯は小袋帯と比べて薄くて軽いため、夏用の着物や浴衣に合わせるのに適しています。
季節に合わせてコーディネートを楽しみたい方や、帯結びの変化をより楽しみたい方は小袋帯を、夏に着物や浴衣を頻繁に着る方は単衣帯を選ぶのがおすすめですよ!
・袋帯や名古屋帯との違いは?
着物の帯は半幅帯以外に袋帯や名古屋帯などの種類があり、それぞれ長さや幅、格が異なります。
袋帯の幅は31.2cm程度、長さが4.3m〜4.5m程度あります。見た目が豪華で華やかで重厚感があるため、主に結婚式などで着る訪問着などの礼装用として使うことを目的としていますが、小紋と合わせるとおしゃれ着として着ることができます。
名古屋帯の幅は30.4cm程度、長さが3.6m〜3.8m程度あり、半幅帯の2倍弱の幅で、長さが少々短いのが特徴です。入学式やお宮参り用の着物に合わせるときにも活躍しますよ!
袋帯と名古屋帯は半幅帯より格が上になりますが、小紋と合わせることができます。小紋に半幅帯をあわせるのにはカジュアルすぎてしまう、というときは袋帯や名古屋帯を合わせてみましょう。
・半幅帯に帯締めや帯揚げは必要?
半幅帯は帯締めや帯揚げがなくても帯を結ぶことができますが、結び方によって帯揚げや帯締めが必要になる場合があります。
装いや行き先に合わせて帯結びを変えたい方は、帯揚げや帯締めを用意しておくのがおすすめです。
▼小紋とは
小紋の着物は、着物の柄の方を同じ方向に繰り返して染め上げています。小紋の着物は素朴な雰囲気のものが多いため、ちょっとしたお茶会やお出かけの際に着るのにおすすめです。ここからは小紋の種類や、他の種類の着物との違いについて紹介します。
・小紋の種類は?
着物全体に柄をあしらえている小紋には種類があり、通常の小紋と江戸小紋の2種類が存在します。
江戸小紋は江戸時代の武士が着ていた種類の着物で、遠目で見ると無地に見えるくらい細かい柄をあしらえているのが特徴です。江戸小紋は小紋の中でも格が上のため、フォーマルな食事会などでも着て行くことができます。
・訪問着や色無地などとの違いは?
小紋の着物は訪問着や色無地の着物と違い、カジュアルでおしゃれ着用の着物になります。結婚式やお子さんの入学式や卒業式などに着て行くとカジュアルすぎてしまうため、礼装を着て行く場では控えるようにしましょう。
▼半幅帯と小紋のTPOは?
ここまでで、半幅帯と小紋の特徴や他の帯や着物との違いについて紹介しました。ここからは、半幅帯と小紋の組み合わせにおすすめのシーンを紹介します。
・芸術鑑賞や観劇に
コンサートや音楽鑑賞、美術館に行くときなど、おしゃれをして出かけたいときにおすすめです。歌舞伎や舞踊などの日本の伝統芸能に触れるときに着るのも素敵ですよ!
・街歩きやちょっとしたお出かけに
半幅帯と小紋はどちらもおしゃれ着や普段着用として着るのに適しているため、旅行先での街歩きやちょっとしたお出かけにも着て行けます。夏の終わりなどの暑さが気になるときに単衣半幅帯を合わせるのもおすすめですよ。
TPO別 半幅帯と小紋のコーディネートを紹介
半幅帯と小紋の着合わせは、ちょっとしたお出かけなどで気軽に着ることができます。
それでは、行き先ごとにおすすめの小紋と半幅帯をチェックしてみましょう。
▼芸術鑑賞や観劇におすすめの小紋と半幅帯
芸術鑑賞や観劇には、柄の小さい小紋が人気でおすすめです。かわいらしさを出したい方は、草花やちょうちょ柄をあしらえた小紋を選んでみてはいかでしょうか?
半幅帯は、遊び心のある洋風の柄を合わせると個性的なコーディネートを楽しむこともできますよ!
柄が小さく暗い色の小紋を着るときには明るい色の半幅帯を、明るい色の小紋を着るときは同系色でハッキリとした色合いの帯を合わせるとメリハリのある着こなしを楽しめます。
▼カジュアルな食事会におすすめの小紋と半幅帯
カジュアルな食事会やランチなどのお呼ばれの場には、シンプルな小紋がおすすめです。会場がフォーマル寄りの場の場合は、江戸小紋を選ぶと場浮きせず安心です。
半幅帯は小紋と同様、シンプルなものがおすすめです。着る時期とマッチする草花の柄がある帯を選ぶと、より季節に溶け込んだ着こなしを楽しむことができますよ。
街歩きや普段着として小紋を着るときは、好みの色や柄のものを選んで問題ありません。より季節感のあるコーディネートにしたい方は、以下の色合いを参考に選ぶのもおすすめです。
- 春夏 : ピンク色、アイボリー、黄色、藍色、灰色、白色など
- 秋冬 : 草色、赤茶色、焦げ茶色など
帯は着物と補色になる色を選ぶと、メリハリのつく着こなしを楽しめます。かわいらしさやピンクの小紋に赤の半幅帯などを合わせてみましょう。また、凛とした雰囲気を出したい方は灰色に白色の半幅帯など、同系色の補色を合わせると、まとまりが出ますよ!
小紋に合う半幅帯の帯結びを紹介
着物の帯は色合わせだけではなく、帯の結び方でもコーディネートの雰囲気が変わります。さまざまな帯結びを覚えておくとより着物を楽しむことができますよ!
今回は小紋にもよく合う定番の貝の口結びとちょうちょ結びの結び方を紹介します。ぜひチェックしてみてください。
▼貝の口結び
シンプルでかわいらしさのある貝の口結びは、普段着として着物を着るときや、ちょっとしたお出かけのときにおすすめの帯結びです。背中にぴたっとつく結び方のため、動きやすいのもうれしいポイントです。
以下の手順で結びます。
- 帯の手先を半分の幅に折り、50〜55cm程度とったら2周巻きます。余ったたれは胴の内側に入れて、手先と同じ長さになるように調節してください
- 手先がしたになるようにひと結びします
- 結んだあとのたれを真っ直ぐ下ろしたあと、内斜め上に折り上げます
- 手先を折れたたれに差し込んで形を整えたら完成です!
▼ちょうちょ結び
後ろ姿がかわいいちょうちょ結びは、街歩きなどの移動時間が多く後ろ姿を見られる機会が多いときにおすすめの帯結びです。半幅帯以外の帯や、浴衣と合わせるときにも使える結び方になるので、覚えておくとさまざまなシーンで使えますよ!
以下の手順で結びます。
- 帯の手先を50cm程とり、輪が上になるように2つ折りしたら、帯板と帯をクリップで留めます
- 帯を胴に2周巻いたらたれを脇から斜め上に三角になるように折り上げ、手先が上になるように結びます
- 結び目の位置でたれを開き、背中と同じくらいの長さでびょうぶ畳みを行い、4枚ちょうちょの羽を作ります
- 羽の中央を持ちながら折り、羽の形になるようにひだを作ります
- 羽の中央に手先を2周巻き、上に引き上げます
- 引き上げた手先を帯と帯板の間に入れて、下に引きます
- 手先を帯の内側で広げ、帯板や左右の羽を広げて形を整えたら完成です!
小紋と半幅帯を上手に合わせて普段着の幅を広げよう
今回は、ちょっとしたお出かけのとき普段着としても使える小紋と半幅帯のTPOや特徴にくわえ、行き先に合わせたコーディネートや帯結びを紹介しました。
小紋の着物や半幅帯はたくさんの種類があるため最初は選ぶのに時間がかかってしまうかもしれませんが、慣れると着物をより気軽に着ることができるようになりますよ!ちょっとしたお出かけのときに着て、普段着のひとつとして取り入れてみてくださいね!
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